電話に出たくない症候群
近年、新入社員が電話に出たがらないという話をよく聞きます。
てっきり日本だけの現象かと思っていたら、実は米国でも突然の電話は配慮を欠いているとして歓迎されない傾向にあるとか。新入社員に限らず、仕事でもプライベートでも。「先にメッセージを送らない人はどうかしている」とまで考えている米国人も増えており、電話のエチケットはかつてなく複雑になっているそうです。
そういう私も電話は大嫌いなんですけどね。新入社員の頃から今の人と同じように、内心「自分が出る必要ないんじゃないか?」と思いながら取次ぎしていました。
何が一番イヤかって相手の名前が全然聞き取れないんですよね。
「株式会社DQN(ここは大抵聞こえる)のもょもとだけど山田さんいる?」
みたいな名乗りが非常に多い。本人は無意識で省略してしまうのか、名前の発音が雑で聞き取れないのが7割。で、聞き返して分かればいいけど、それでも分からないことも多々ある。さすがに3回も4回も聞き直せない。仕方ないので
「山田さん、もょもとさんからお電話です」
と曖昧なまま取り次ぎ、
「誰それ?」
と突っ込まれる。こっちだって知らんわと言いたいけど言えないのであくまで「もょもとさん」と言い張り、あなたの耳が悪いのでは?という顔で押し通す。
それならまだいい。昔は下手すると電話に出た瞬間に
「山田くんおるかー?」
の一言しかない場合も少なくありませんでした。お前は西濃運輸かと。こういう相手は100%偉そうなオッサンであり、さも「オレの声で当然誰だかわかるやろ?」と言いたげなので、気弱な新入社員には名前を尋ねにくい。訊いても聞き取れないとなお困る。しかしそれで
「山田さん、誰だか知らんけどお電話です」
などと取り次いでは
「名前ぐらい聞けよ!」
と怒られる。内心「今出ればすぐ分かることだろうが!」と逆ギレしながらね。
そんなわけで今どきの新入社員の気持ちは非常によく分かるものの、かといって一生出ないわけにもいかない。多少イヤでも大人しく出ておきなさいとしか言えませんわな。大体、中堅社員になっても電話なんかなるべく出たくないですからね。
それどころかプライベートの電話すら鳴ってほしくないっていう。数年前までは知らない番号でも律儀に出てましたが、あまりにもセールスや勧誘ばっかりで今ではもう全く出ませんね。電話番号でググれば迷惑電話かどうかは9割方分かるんでそれは無視でいいんですが、たまに迷惑電話じゃないっぽい番号から何度も着信が来る時は悩みます。まあ、悩むだけで結局出ないんですけどね。
コメント
メールやLINEは電話と違ってその場ですぐに返す必要がないのが楽だという意見もありますが、私はむしろ「早く返さないと」という思いが残り続けてしんどいですね。あとは電話だと30秒で済む確認が一日かかることもあるし、後は絵文字だったりスタンプだったりをどこまで使えばいいのか。結構考えることが多くてめんどいですね。
まあ、私も電話で名乗りもせずに「山田いる?」って聞いてくる輩は嫌ですがね。
>「早く返さないと」
これはまあ確かにありますね。
導火線に火が付いている爆弾を手渡されると早くパスしないと…!と焦ってしまうようなもんですね。
用件のやりとりにかかるストレス自体は実は電話でもメールでも大して変わらなくて、
問題は急にかかってきたり、自分宛じゃなかったり、音声が不明瞭だったりするところが問題なのかなと。
返答をじっくり考えたい用件の場合も電話じゃない方がいいですね。