再燃する金融所得増税論


自民党総裁選でそれなりの有力候補だと思っていた石破氏が「金融所得課税の強化を実行したい」などという妄言をほざいてしまい、どうやら脱落しそうな気配です。



これはいわゆる「1億円の壁」を是正するための課税強化なわけです。が、以前の岸田ショックの時といい単純に一律で増税するとしか受け取れない発言のため、資産1億円も持っていない庶民からも猛反発を浴びる羽目になったと思うんですよね。



本当に1億円の壁をどうにかしたいと思っているのならば所得が1億円以上ある人だけ課税強化すればいい話です。それだと税収が大して増えなくて美味しくないから嫌だ、というのが政府と財務省の本音でしょう。あるいは庶民に余計な金を持たせてはいけない、くらいの悪意すら最近は感じます。



税収を増やしたいだけなのに格差の是正を大義名分にするから反発を食らうんです。金融所得2000万円以下は無税、2~5000万円以下は15%、5000万~1億円以下は20%、それ以上は25%…みたいにすれば誰も文句は言わないんじゃないかと思うんですがね。



大体、一般の給与所得者は給料を受け取った時点で既にかなりの税金と社会保険料を天引きされているわけで、そこから何とか節約した金で投資しているのにまたそこから20%も一律でむしり取っている現状がすでにおかしい。ただでさえリスクを負い、そんな税金二重取りを経てようやく得た金も、いざ使おうとすればさらに消費税だの何だのと税金の支払いが発生するわけですよ。一体何重取りすれば気が済むのか。このうえまだ課税強化なんて議論されるだけでもウンザリ、全くもってやってられません。





まあそんな暗い話はさておき、良いニュースもありました。楽天証券でシュワブ米国配当株式(SCHD)が9/18から買えるようになるとのこと。



SCHDといえば高配当系ETFでありながらVYMやVTIよりもパフォーマンスが良く、しかも増配率も高いわ経費率は低いわと非常に評判のいいETF。ただ唯一、日本の証券会社では買えないという致命的欠点がありました。ネスレ株とかもそうなんですが、欲しい銘柄が日本の証券会社で扱っていないというのは悲しいものです。



生のETFではなく「SCHDとの連動を目指す投資信託」という形ではありますが、これが買えるようになるというのはうれしい。さっそく9/18になったら買い付けてみようかなと思います。



コメント

オペラ さんのコメント…
金融所得課税の強化なんて絶対やんないで欲しいです。
賢いやつほど金の転がし方も心得てますから、もしこのルートで本決まりなら利確で日経は大暴落するやもしれません。新NISA始まって5年とかたってるならまだわかりますが、半年で課税強化からの大暴落なんて食らえば、誰も投資なんてもうしませんよ。ムチとアメは本来同時にやるべきで、新NISAと同時か、日銀がやるETF買い増し強化とかもっと発表の仕方があると思います。

そういう意味で焚き付けたマスコミがホントゴミです。石破氏がどういう趣旨で発言したのか分かるように前後の文脈を切り出すべきなのに、不意打ち質問で切り取り質問とかゴミすぎます。
別に石破氏の方を持つ訳じゃないですが、次の選挙にびくつく自民党を世論操作で叩くばかりで肝心の個々の政策や野党の話は全く報道されない。

それに一律増税で30%もとるとかなるなら、損失を出した時の補填とかもして欲しいです。損益通算があるとはいいますが、損益通算自体は当たり前の発送ですから、リスクに金を晒している投資家の気持ちにもなって欲しいです。
岩石入道 さんの投稿…

>オペラさん

一律増税で30%なら大暴落で日本の株式市場は終了ですね。25%ならまだ耐えるかもしれませんがそれでも苦しい。上げるならアメリカみたいに短期は高め、長期投資なら安めにする等の調整もセットじゃないと。

配当にかかる税金も日本で30%、アメリカで10%で合計40%になったりするといよいよやってられませんからねえ。
損益通算前提でハイリスクハイリターンな銘柄に手を出すのが普通になってしまい、税制のせいで投資行動が歪むというわけのわからないことに。

石破氏のはあの一言しか記事に載ってなかったので全文はないのかなと思って探したんですが、見つかりませんでした。討論番組でのコメントだったようなのでそれを見ていない以上何ともですね。まあ切り取りとはいえ金融所得課税強化の一言だけでも充分不安になりますが…

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