観てもいないのにアメコミ映画疲れ中

 

「エイリアン:ロムルス」、面白かったですね。1979年から続くビッグタイトルなので映画マニアだけでなく世間一般でも大きな話題となっており、興行収入的にも充分ヒットしているようです。



それはいいんですが、本編上映前の予告編や興行収入ランキングを眺めていると続編やリブートやマンガ原作だらけで完全オリジナルの映画がほとんどないことが気にかかります。今に始まったことではないとはいえ、最近特にその傾向が顕著に思えるんですよね。まあロムルスもそのひとつなんだけども。



とりわけ私が引っかかるのはアメコミ映画の異常な供給量です。上映前の予告編で必ず最低ひとつはアメコミ映画がある。本当にここ数年切れ目がない。やってない時がマジでないんです。たまには休めよと言いたくなる。「おお、何だか面白そうな映画の予告だな…」と思わせられてからアメコミだと判明した時の肩透かし感。最近じゃもう面白そうな予告が始まっても「どうせこれもアメコミなんでしょ」と心に防護壁を張るくらいにはスレてきちゃいました。



なんせこないだなんて3つもありましたからね。

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」

「キャプテン★アメリカ ブレイブ・ニューワールド」

「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」

ですってよ。

3つもあると予告だけで食傷気味になってしまう。

キャプテン・アメリカ、死んだのか知らないけど中身が別の人に代替わりしてましたね。ヒーローは永遠に続いていくものなのか。



それにしても今まで散々見てきて、さらにまた3つもほぼ同時に公開されて全部観に行く人がいるのか?

ジョーカーなんて特にアメコミっぽくない雰囲気の予告なので初めて見た時は騙されました。サブタイもオシャレ文芸風。最近は本当にアメコミってことを隠すかのような出だしの予告が多いなと感じます。



別に私も初めからアメコミ映画が受け付けなかったわけじゃなくて、普通にスパイダーマンとかアイアンマンとかパニッシャーとかデアデビルとかブレイドとかバットマンとか観てたんですけどね。嫌いじゃなかったんですよ。あまりにも供給量が多すぎてついていけなくなった。日本のマンガほど多様性は無くてどれも全身タイツのスーパーヒーローが悪と戦う話ですしね。



しかしアメコミってなんでどいつもこいつも奇抜な全身タイツ・スーツなんですかね。原作の古さといい、日本で言ったら月光仮面や黄金バットが未だに大金かけて映画化されてるようなものではないのか。パニッシャーはその点まともな外見だから好きなんだけど、あんまし人気ないみたいだからなあ。



とにかくアメコミは予告観てるだけで胸焼けするんだから相当ですよほんと。好きな人には申し訳ないけど、映画業界にはそのリソースを少しは新規IPに振り分けてほしいものです。


コメント

オペラ さんのコメント…
私も小説で似たような悩みがありますね。
推理小説なのですが、「ノックスの十戒」をご存知でしょうか?
基本的に推理小説家はこれを守りながら、小説を書いています。だから、逆に言えば、これを破れば手軽に「新鮮な推理小説」になるわけです。
破るタイミングは犯人を明かす最終場面になりますから、一時期この手法の「だいどんでん返し」ミステリが流行って以来、これが蔓延するようになりましてね。数が少ないから新鮮味があったのに、流行り過ぎてまともに推理できない小説が増えました。
古典推理小説を読めばいいのですが、これ以上のデウスエクスマキナは勘弁です。

1.犯人は物語の始めに登場していなければならない
2.探偵方法に超自然能力を用いてはならない
3.犯行現場に秘密の抜け穴・通路が2つ以上あってはならない
4.未発見の毒薬や、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
5.中国人(並外れた身体能力を持つ怪人)を登場させてはならない
6.探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
7.変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
8.探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
9.“ワトスン役”は自分の判断をすべて読者に知らせなくてはならない
10.双子や変装による一人二役はあらかじめ読者に知らせなければならない
『探偵小説十戒』より
ちょぷちょぷ さんのコメント…
おつかれさまです、ちょぷちょぷです。
私も先日、ロムルスを観てまいりました。
本当に面白かったですね。
「1」の閉鎖空間で、武器が潤沢にない状態での絶望的な逃避行、
「おお、アッシュ出てるやん!」→「今回、こいつ味方っぽいな」→「あ…」のお約束、
「パルスライフル キタ━━(゚∀゚)━━!!」的な盛り上がり等、
過去作のオマージュやネタを盛り込み、
それでいて最終決戦の、今までにない斬新な演出は素晴らしいものがありました。
某掲示板で、女性陣の髪型が、1,2、3に対応しているという考察には目から鱗でした。
あと、エイリアンは殆どCGを使っていないらしいですが、これも良い具合に映えていました。
(最後のベビーは、バスケ選手に演じて貰ったらしいですね)
最近のCGは凄いですが、「キングコング」や「ゴジラ」とかを観ていると、
ふと、「俺が観てるのって、『映画』じゃなくて『CGの映像』なのでは」と我に返ったりします。


アメコミ系は「エンドゲーム」で、自分の中では一区切りついたので、あまり観る気が起きませんね。
「パニッシャー」は、私はカプコンのアクションゲームで知った口です。
あれが、良く出来ていて超面白かったです。
ボスは、それぞれに攻略方法があって、技術が要求されたり、何でも武器に出来たり。
で、ドルフラングレンがパニッシャーに出ると聞いて観に行って、
髑髏のコスチュームをしてなくてがっかりした記憶があります。
何はともあれ、今度は「2」をモチーフにした、エイリアンの新作が観たいですね。

岩石入道 さんの投稿…
>オペラさん

私も推理小説ばかり好んで読み漁っていた時期がありましてね…
ノックスの十戒は知識としては知ってましたが、守られてるかどうかは
あまり気にしてませんでしたねえ。
一番凄いと思ったどんでん返しは麻耶雄嵩の「蛍」で、
これを読んだらどんでん返しミステリはもういいかなって思っちゃいました。
凄いことは凄いけど話の内容自体は別に面白くなかったのもありまして。
しかも捻り過ぎてて多分マニアじゃないとそこまで驚かないような気もする感じ。
人によっては「だから何なの?」と言われそうな。
どんでん返しのためには過程がつまらなくならざるを得ない面もあって、
ミステリの構造的限界を感じてしまいました。
岩石入道 さんの投稿…
>ちょぷちょぷさん

ご覧になられましたか!
いやーあれは最高でしたね。来週2回目観てこようと思ってます。
アッシュは最初あれ?ここノストロモ号なの?爆発しなかったっけ?
と混乱しちゃいました。
女性陣の髪型が1~3に対応!?
そういうの判る人すごいですよね、私など全然気が付けない笑
CGかどうかも分かんないし…最後のヤツなんて100%CGだと思って観てましたよ。
さらに続編出すとしたら今度は独自性を強く打ち出さなきゃならないだろうし、監督の人選次第になりそうですね。フェデ・アルバレス監督が続投するとしたら、ドント・ブリーズ風味以上の引き出しがどれだけあるかでしょうか。


パニッシャーはトーマス・ジェーン版の絶妙なくだらなさが好きでした。
ストーリーはかなりハードなはずなんですけどね。
その後のレイ・スティーブンソン版もなかなか。
ドルフ・ラングレン版は観てないなあ…あれ80年代ですよね。
ゲーム版もあいにく見たことないです。アーケードですかね?
しかしこれだけ映画化・ゲーム化されてるとなると不人気どころか普通に大人気のヒーローなんですね。

このブログの人気の投稿