いつまで経っても損切りする力を身に付けない男
投資と映画を同列に語るマンガこと「インベスターZ」のこのページがこのところまたツイッターでバズっているようです。
(ちなみにインベスターZは公式でスクショ・切り抜き・SNS投稿OKとされているので普通に画像貼らせていただきます)
私は以前このマンガがkindleでセールしていた時に10巻まで買って読みましたが、面白いことは面白いです。投資の指南書的な要素が強くて説明台詞が多すぎる点は気になるものの、優秀とはいえ中学に入ったばかりの子供が秘密の投資部に入れられていきなり億単位のカネを渡され、投資で増やせというミッションを負わされるというストーリーはそれなりにエキサイティング。それに札幌が舞台ですしね。いいマンガだと思いますよ。
で、上のページは主人公の財前が投資部の先輩にくそつまらない映画を見せられ、何分で劇場から出てくるかを試されていたシーンですね。つまらない映画は初めの5分でわかる!そこですぐに出てくることができるか、映画も投資も損切りの早さが肝要なのだ!という。
つまらない映画をつまらないと思いながら最後まで見てしまう…
何の価値もないものにしがみついているのと同じ…。
私という人間が全否定されているようにしか聞こえない価値観ですね。
投資のことはともかく、映画マニア界隈では半分炎上みたいな様子で反発を生んでいるようです。最初はつまらなくても後半になって俄然面白くなる映画もあるんだよ!という感じ。
そういうハッシュタグもできていたので、私も何か最初はくそつまらんけど後半は面白くなる映画がないか考えてみましたが、特に思いつかなかったです。確かにちょっと見て「やべーやつじゃん」と思った映画は大抵最後までダメなままなんです。私の場合「一体どこまでやべーやつなんだ!?」と逆の意味で好奇心を刺激されてしまうこともありますが、大抵は最後まで死んだ魚の目で眺める羽目になります。
しかし、そもそもつまらない映画を最後まで観ること自体が悪い事だとは思ってないので別に構わないんですね。というのもダメな株はただただ損するだけで何ひとつ良いことはありませんが、映画の場合はたとえどんなにつまらなくクオリティの低い作品でもその映画なりの味や個性があり、マニアや好事家とはそこに刹那的快楽を見出すジャンキーだからです。
(※ダメな株の例)
もちろんクソ映画の中には味も個性もない虚無映画というサブジャンルも存在しますし、私が損切りというか挫折するのはそのパターンが多いんですが、それでも「映画は一体どこまで虚無になれるか」といった観点もないことはなく、たとえどんなに客をバカにしているクソ映画だろうと最後まで観て怒ることはあっても後悔することは(あまり)ないのです。
ただ、
それが子供と犬を出して感動させようとしてくる邦画だったら私も5分で劇場から出てくるかなあ…。
コメント
つまらんと思っても、尻上がりに面白くなってく話もありますし、最初面白くても終わりが、は?ってものもあります。総じて言えるのは終始一貫して面白い小説はないです。逆説的ですが、つまらないページあるからこそ面白いページあるからこそ生まれるわけで。
株においては損切りは大切ですが、芸術作品においてはそうともいえないです。
クソ映画は星の数ほどありますが、クソ小説…って何がありますかねえ。
出版社フィルターによってそんなにひどいものは出てこないイメージが。
昔、「リアル鬼ごっこ」が話題になった時はクソ映画を観るのと同じノリで
読んでみたことはありますけどね。
まあ創作物は大体緩急があるものですから、掴みが多少悪いくらいでは損切りするもんじゃないですね。