「キングスマン」「キングスマン：ゴールデンサークル」を鑑賞

 

オペラさんご推薦の映画ということで、観てみました。

ご推薦と言いつつ本人は気に入ってないようですが、私は非常に楽しめてしまいました。なんせ2時間以上の超大作なのにそのまま続けて2作目まで観てしまいましたからね。普段はどこの誰が作ったのかも分からない激安謎映画ばかり観ているので、たまにこういう真っ当に金と手間をかけてエンタメに徹した大作映画を観ると「映画ってこんなにも楽しいものだったんだ…！」と感動してしまうんです。

内容は、ロンドンにあるどこの勢力にも属さない紳士的諜報機関”キングスマン”にスカウトされたチンピラ青年エグジーが訓練とミッションを通して一人前の英国紳士に成長していくというもの。

私は未見とはいえ劇場で予告編を見かけることは何度もあったので、このシリーズは荒唐無稽で明るく楽しいスプラッターコメディ的スパイアクションだということは知っていました。そういうのは嫌いじゃないけど、それだけじゃなー…と勝手にあなどって観ていなかったわけですが、やっぱり全然それだけではない作品でしたね。

何といっても圧倒的な武力を奮いまくる英国紳士というキャラクターが秀逸。まあ私は007シリーズもろくに見てないのでそこにどれだけのオリジナリティがあるのか分からないんですが、初めはチンピラに過ぎなかったエグジーがパリッとしたスーツを着こなし、品のある動作で敵をブチ殺しまくる後半部は熱くさせられました。

1作目は敵キャラも実に良い。「ガイア理論に基づいて人類を間引こうとするＩＴ長者」はいかにサミュエル・Ｌ・ジャクソンでも陳腐すぎていただけませんが、その部下のガゼルはかっこいい。キングスマンのランスロットを一撃で真っ二つにする場面で醸し出されるツワモノ感、両足が義足という見た目のインパクトが素晴らしい。こんなのと対決するクライマックスが盛り上がらないわけがない。

まあSIMカードによる人類の間引きは馬鹿馬鹿しすぎてシラケる人もいるかもなあ…とは思いましたけどね。マンガ的すぎるというか。実際原作はマンガなんですが。逆に言えば引っかかるのはそこだけだったので、充分他でカバーできてたなと。

で、2作目の「ゴールデン・サークル」。

こっちはちょっと微妙だったかな。

いや、2時間20分を苦も無く観れる時点でかなり面白いのは間違いないんですが、1作目ほどの高揚はなかったですね。

せっかくいいキャラクターを登場させてもバンバン殺してしまうので何かもったいない感が…。それによって緊張感が出てくるかと言えば別にないし、敵の恐ろしさが際立つわけでもない。今回のボスは人間をミンチにしてハンバーガーにして食わせるとか相当エグイ描写もあるんですがね。それでも部下が「キングスマン落第生＆ロボット犬」とショボかったせいかちょっといかれたおばさんだったな程度の印象で終わっちゃいました。

キングスマンという組織自体が序盤であっさり壊滅するのがもったいなく、代わりにステイツマンなるアメリカンな組織が出てくるのは笑いましたが、そこのメンバーのチャニングテイタムはツワモノ感だけ出しながら一切何もしないし、代わりに相棒的存在となるペドロ・パスカルは別に外道でもないのに最後はミンチにされるしで何か納得のいかない展開が多い。意外性を出そうとしてる感が強すぎるというか。

アクション自体は派手なので楽しめるけど1作目を超えるほどでもないですしね。ただ、回転ゴンドラ落下シーンなどは劇場で観てたら圧倒されただろうなと思うので次回作の「ブルー・ブラッド」とやらはちゃんと劇場へ行って観ようと思います。

雑な感想になりましたが、4時間半も観てさすがに疲れたので今日はこんなとこで。