必殺のクラウドストライクが世界の情シス担当を直撃

 

クラウドストライクが世界中の顧客のパソコンを一撃で使用不能に陥らせるという未曽有の事態が発生しました。まさか全世界規模であれほどのシステム障害が起きてしまうとは驚きです。

みずほとかマクドナルドが大規模なシステム障害を起こした！というニュースでも「えらいこっちゃなあ」と思うのに今回は顧客数が3万超え。被害者数のケタが全然違う。飛行機が飛ばなかったり店やテーマパークが開けなかったり、銀行、放送局、証券取引所などと影響が凄まじい広範囲に。

良かれと思って導入した最先端のサイバーセキュリティがそんな大惨事を引き起こすなんて恐ろしい話です。わざわざ高い金を払ってサイバー攻撃してもらったようなもの。しかし最近よく聞く名前だなとは思ってたけど、みんなそんなにクラウドストライク使ってたんですね。

顧客企業の情報システム担当者は今後、PCを1台1台手作業で復旧させることになりそうとのことで、情シスにとってはこれ以上ないほどの悪夢的状況。Windows10以降ブルースクリーンなんて滅多に見なくなりましたが、2000/XPの頃は本当にウンザリさせられましたからね。マイクソロフトの青い画面はもう二度と観たくない。うちの会社はクラウドストライク使ってなくて本当に良かった…。

まあド田舎の中小企業がクラウド・ストライクだのファルコン・センサーだのとそんなかっこええ必殺セキュリティシステムを入れてるわけがないんですがね。何ならガンガンガン速が入ってる可能性の方がまだある。ド田舎で良かったなあ。

そういや昔はカスペルスキーを入れようかという話が出たことがあったんですが、ロシア製セキュリティソフトなんて今となっては絶対あり得ない選択ですね。あれって今どうなってるんだろうと思って調べてみたら、そもそもクラウドストライクはウクライナ戦争勃発後にカスペルスキーからの乗り換えでシェアを増やしていったとか。あらまあ。

それでクラウドストライク社の株価がどうなったかと言えば、たったの11％下がっただけでした。いや個別株としても充分暴落したと言える下げ幅ですが、事態の深刻さのわりにはたいしたことない気もする。性能的には業界No.1らしいので顧客はそれほど逃げないという判断でしょうか。今後の弁済とか訴訟とかどえらい額になりそうですけども。マイクソロフトもいくらか責任を負わされそう。保険で何とかなるのかな。

最近株安円高になってきたなあと思ってたらさらに今回の件が米株市場全体に悪影響を及ぼしたようで昨晩も結構下がりました。まあこの程度ではブラックスワンと言うほどではないですが、調整入りのきっかけにはなりそうですね。