カラオケ、それは悪魔の娯楽




先日、お客さんと飲み会がありました。



その方を会社に連れて来たところ、玄関でスリッパに履き替える時になって急にモジモジして


「変な靴下で恥ずかしいのですが…」


などと言い出しました。

黙ってれば靴下なんて見なかったんですがね。そんなこと言われたら逆に注目せざるを得ませんよね。



しかしなぜ仕事で取引先へ来るのに恥ずかしい靴下を履いてきてしまったのか?

そこまで恥ずかしい靴下とは一体どんなものなのか!?

アンパンマン柄だとか?



期待に胸を膨らませて見てみたら、


「つま先なし」の靴下でした。

足の指がスッポリ出ていて半分裸足に見えるやつ。



思わず「本当に変ですね」と正直に反応してしまいました。期待を上回ってきた。こんな靴下があったとは。話を聞いてみるとムレない履き物を履きたいというこだわりが強いようで、過去には草履とか下駄を履いて出社しては「そんなもん履いてくるな!」と注意されていたとか。これは只者ではない。



そんな彼が最後に行き着いたのがこのつま先なし靴下なのでしょう。訪問先によっては「あなたが履いた後のスリッパ履きたくないんですけど…」とか言われたり、三度見されたこともあるそうです。…ってことは、今回うっかり履いてきちゃったわけじゃなくていつも履いてるわけですね。



正直、こういう変な人は好きです。私もあまり常識がなくて変な人扱いされることが時々あるので、安心するのです。



そんな感じで興味深い逸話を色々と聞けたので飲み会は楽しめたのですが、問題はその方が大のカラオケ好きだということでした。私は子供の頃から重度の歌アレルギーでほぼインスト曲しか聴けないので持ち歌など一つもなく、人の歌を聴いても苦しみのあまり血尿が出るので、カラオケだけは徹底的に避けて通ってきたのです。



そしたら案の定、二次会ではカラオケへ行く流れに。

実に危険な雰囲気です。手招きされているけど、ノコノコついていくわけにはいかない。



そこで私は隙をみて電柱の陰に隠れ、そのまま逃亡しました。接待でそんなことしてええんか?と思われる向きもあるでしょうが、仕方ないんです。緊急避難に相当するやむを得ない行動と言えます。



例えばこれがカラオケでなくマンション麻雀だったらどうでしょうか。大抵の人が「いや、それは無理!」と逃げ出すのではないでしょうか。それと同じようなものと考えてください。



それに、私が行かなくても上司が行ってくれたから大丈夫!



…なのですが、

そのすぐ後、その上司から

3分おきにLINEメッセージがポコポコ飛んできて



「1時間の約束が2時間にされた!!」

「早く帰りたい!」

「もうイヤ!」

「会社で仕事してる方がましだ!」

「頭痛いです…」



などと、まるで拷問を受けているような反応が。

これには戦慄を禁じ得ない。



これほどまでに人を苦しめるカラオケは悪魔の娯楽と言うほかありますまい。好きな人は好きな人だけで行けばいいのに、なぜ嫌がる人をムリヤリ連れて行こうとするのか全くわけがわからない。このようにカラオケはハラスメントの温床だから、直ちに法で禁止し厳しく取り締まるべきである。そんな風に思いました。



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