外国映画にも100%の関税

 

トランプ大統領が今度は米国に輸入される映画に100%の関税を課す方針だと表明しました。



まさか映画業界にまで関税が影響してくるとはいくらなんでも予想外。中国がハリウッド映画を上映禁止にしたことの対抗措置的な面もあるようです。しかし、映画に関税を課すと一体誰が支払うことになるのかよく分かりません。配給会社ですかね?



となると、日本映画をアメリカで上映する場合、アメリカの配給会社が日本の製作会社に支払う契約金?ロイヤリティ?と同じ額が徴収されるんでしょうか。まさかチケット代を2倍にするわけにもいかないだろうし、製作会社も配給会社も全然儲からない商売になってしまう。よっぽど大ヒットが見込める外国映画じゃないとダメそう。今後、アメリカ国内で上映される映画は純アメリカ産のみということになりそうですね。



おまけにゲームやマンガも同様の措置をとるみたいなので、アメリカ人は娯楽を完全自給自足せねばならない事態に。なんというディストピア。これはさすがにアメリカ国民もつらかろうと思います。日本でもし同様の措置が取られることを想像してみたら…ゲームやマンガはまあ国産だけでも全然いいけど、映画が邦画オンリーになるのだけは絶対に耐えられない。コンテンツ産業は国によって得手不得手があるものです。



トランプ大統領は「アメリカの映画産業が急速に衰退している」と危機感を募らせており、それが外国映画もしくは米国の映画製作においても海外で製作しているのが悪いと思っているようです。なんだかアメ車が売れない件と似たような話に思えるんですけど、単に最近のハリウッド大作が面白くないだけなのでは…



参考までに2024年の北米映画興行収入ランキングを見てみると、



1.インサイドアウト2 6億5千万ドル ディズニー

2.デッドプール&ウルヴァリン 6億4千万ドル ディズニー

3.ウィキッド 4億3千万ドル ユニバーサル

4.モアナ2 4億ドル ディズニー

5.怪盗グルーのミニオン超変身 3億6千万ドル ユニバーサル

6.ビートルジュース ビートルジュース 2億9千万ドル ワーナー

7.デューンPart2 2億8千万ドル ワーナー

8.ツイスターズ 2億6千万ドル ユニバーサル

9.ゴジラ×コング 新たなる帝国 2億ドル ワーナー

10.カンフーパンダ4 1億9千万ドル ユニバーサル 




子供向けのCGアニメやコミック的なCG多用アクションばかりで何だかつまらない。もっと血生臭いホラーとか、クリーチャーものとか、あるいは筋肉と爆発にまみれたアクション映画がランクインしていて欲しい。



とはいえ、普通に全部米国産の映画になっているわけですが…

日本車や韓国車が幅を利かせている車業界とは全く異なる状況。トランプは一体何がそんなに不満なんだ。

カンフーパンダ4は中華資本でも入ってるのかなと思いましたが、軽く調べた感じ製作国は米国のみになってるし。



クレジット上の製作国は米国でも、スタッフは人件費の安い外国人をたくさん使ってロケもほぼ海外で行っているんでしょうかね。その場合、関税を回避するために全て米国人スタッフで作るとなると、人件費つまり製作費が爆上がりするのか。どっちにしても損益分岐点が大幅に上がってしまうのは避けられそうもありません。ハリウッド映画自体が滅びに向かっていくとしか思えない政策ですね…



まあ、元から米国内だけで低予算映画を作っているアサイラムだとかマーク・ポロニアとかブレット・ケリーみたいな人達にはまるで何の影響もないと思われるので、低予算映画業界についてはむしろ追い風かもしれません。そんなら別にいいか…。


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