岸田首相がNISAの拡充を表明?


ついこの前まで金融所得課税の強化とか自社株買い規制とか四半期開示の廃止とか社会主義者みたいなことばかり抜かして投資家を唖然とさせていた岸田総理ですが、今度はなぜか一転して「貯蓄から投資へ誘導」「投資による資産所得倍増プラン」なる方針を打ち出してきました。驚くべきことにNISAの拡充もやろうとしているみたいです。NISAなんて期限が来たら絶対廃止されるだろうなと半ば諦めていたのでこれが本当ならかなりうれしい。



しかもこれをイギリスでの講演でぶち上げたとのこと。NISAと言えばイギリスのISAをパク…参考に作られた制度ですが、金額の上限も期間も本家ISAと比べるとかなりしみったれており、「投資はさせたいけど利益を非課税にするなんて本当は絶対イヤなんだからな!」と言われているかのようでした。



金額の上限が年間120万というのはまだいいとして、期限が5年で切られているのが実によろしくない。長期投資しろと言いつつ実際それほど長期目線でもいられないんですよね。5年経ってロールオーバーしたらそれだけでもうNISA枠は埋まるし、何よりいずれNISAが終了した時点で含み益になっていなければ大ダメージです。損しているのに税金を払わなければならないという悲惨な事態が発生し、一体何のための非課税枠だったのかということになります。



その致命的デメリットを考えるならNISA枠には全世界型インデックスとかSPYなどの堅いETFしか入れられないはずなのですが、日本人はギャンブラー気質なので日経ダブルインバースとかレバナスなどをNISAに入れてたりするわけです。そんな危ないことやってるからNISAも二階建て制度なんてめんどくさいものに改修されるんでしょうね。そういう私もあまり人のことは言えず、高配当個別株をメインにNISAに入れてあるのでこのままだと先行きが怪しい。特にバフェットが手放したと噂されてるベライゾンとか最近かなり軟調ですね。それでもNISAというだけで売るに売れない。このバイアスは非常によろしくない。



そこでNISAが恒久化されてくれれば、ダブルインバースはどのみち無理だとしてもレバナスやベライゾンぐらいなら助かる可能性も出てくる。ここはNISAの拡充に期待したいところです。



ただ、あれほど投資家を敵視していた岸田政権がそんなありがたいだけの話を出してくるはずがなく、参議院選挙に向けて耳ざわりの良いところだけ発信している可能性もあります。NISA枠は拡充するけどもそれ以外については普通に増税するとかね。特定口座での取引については今までの一律20%から30%に増税ね!なんてことになったら目も当てられません。



あの「インベスト・イン・キシダ!」は日本に投資してくれという言葉なので外国株オンリーの私がどうのこうの言える立場でもないかもしれませんけどね。まあ、外国株の利益を国内で消費すれば少しは国益になるだろうからそれはそれでいいのかな。

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