気になる映画の製作費と興行収入


ピクサーの新作「インサイド・ヘッド2」が公開後3週間で10億ドルを突破したというニュースを目にしました。とてつもない超絶大ヒットですね。



私はその作品については特に興味はないんですが、そこそこ長いこと映画ブログをやっているくせにその映画がいくら稼いだのか?という観点をあまり持っていないことに気が付きました。



聞くところによると映画の収益は製作側と配給会社とで折半であり、さらに宣伝費なども加味すると、製作費の3倍の興行収入がなければ赤字になってしまうとか。また、アメリカ映画においては全世界興行収入よりも北米での興行収入の方が評価されるようです。そこで元がとれてないと続編制作にGOサインが出にくいというわけですね。



ということで、今日は私の好きな映画、好きでもないけど気になる映画がいくらで作られていくら稼いだのか?をちょっと調べてみました(データはimdbより)。




まずはサメ映画から。


「ロスト・バケーション」(2016)

製作費:1700万ドル

北米興行収入:5512万ドル

全世界興行収入:1億1910万ドル


「海底47m」(2017)

製作費:530万ドル

北米興行収入:4430万ドル

全世界興行収入:6219万ドル


「海底47m 古代マヤの死の迷宮」(2019)

製作費:1200万ドル

北米興行収入:2226万ドル

全世界興行収入:4758万ドル


「MEG:ザ・モンスター」(2018)

製作費:1億3000万ドル

北米興行収入:1億4552万ドル

全世界興行収入:5億2933万ドル


「MEG:ザ・モンスターズ2」(2023)

製作費:1億2900万ドル

北米興行収入:8260万ドル

全世界興行収入:3億9770万ドル



DVDスルーの低予算サメ映画はさておき、ちゃんと劇場公開されているサメ映画の収益率はかなり良さそうですね。いやまあDVDスルーサメ映画もあれだけ粗製乱造されてるんだからコスパ良いんだろうけど。


海底47mの1作目は続編が作られて当然の成績。それに比べると2作目は微妙ですが、それでも全然悪くはない数字。


MEGシリーズはとにかくサメ映画としては製作費があり得ない規模なんですが、興行収入も規格外。ただ、2作目の北米興行収入はちょっとコケ気味か。全世界興行収入で製作費の3倍は何とかいってるので続編は出るかもだけど、製作費は抑えてきそうですね。そのせいでさらにコケてシリーズ打ち止めになりそうな予感。かといってむやみに大金かければいいってもんじゃないしなあ。



サメ以外のアニマル&モンスターパニック。


「クロール 凶暴領域」(2019)

製作費:1350万ドル

北米興行収入:3901万ドル

全世界興行収入:9154万ドル


「ビースト」(2022)

製作費:3600万ドル

北米興行収入:3184万ドル

全世界興行収入:5909万ドル


「コカイン・ベア」(2023)

製作費:3500万ドル

北米興行収入:6467万ドル

全世界興行収入:8831万ドル


「プー あくまのくまさん」(2023)

製作費:10万ドル

北米興行収入:208万ドル

全世界興行収入:771万ドル


「ザ・プレデター」(2018)

製作費:8800万ドル

北米興行収入:5102万ドル

全世界興行収入:1億6054万ドル



今更ながら「クロール 凶暴領域」はかなりのスマッシュヒットだったんですね。これで続編の話がないのはもったいない。まあロスバケ同様ストーリー的に作りようがないか。


ビーストはかなり好きなんだけど評判も成績も微妙ですね。ライオン映画にしては健闘した方かな。


コカインベアは熊映画とは思えない大ヒットぶり。とはいえ続編作るほどでもないか? コカインウルフとかカニシャブとかパクリ映画がやたら量産されましたが、ロイヤリティを取ってもいいような気がしないでもない。



プーさんは絶対値で見るとヒットしたと言っていいのか分からん数値ですが、製作費と興行収入の比率でみるとものすごくコスパのいい作品と言えます。そりゃあ続編もすぐに作りたくなるというもの。ただ、私はもうわざわざ劇場で観たいとは思えないし、世間的にもそうでしょう。所詮物珍しさ一点突破型の映画なのでその認識を間違うと悲惨なことになりそうです。



ザ・プレデターは今更ですが個人的にあり得ないゲボカスクソ続編だったので一応調べました。北米では普通にコケてたんですね。それで「ザ・プレイ」は配信スルーになったのかな。新作「バッドランズ」は劇場公開してくれるんだろうか。




ここ数年で自分が年間ベストに選んだ作品。


「ディアスキン 鹿革の殺人鬼」(2020)

製作費:400万ユーロ

全世界興行収入:168万ドル



「マリグナント 凶暴な悪夢」(2021)

製作費:4000万ドル

北米興行収入:1339万ドル

全世界興行収入:3489万ドル



「シャドウ・イン・クラウド」(2022)

製作費:1000万ドル

北米興行収入:15万ドル

全世界興行収入:105万ドル



「FALL/フォール」(2023)


製作費:300万ドル

北米興行収入:724万ドル

全世界興行収入:1736万ドル




ディアスキンは上映館数が少なかったから何とも言えませんが、多くてもヒットしたとは考えにくいか。マリグナントはヒットメーカーとして名高いジェームズ・ワン監督作にしてはかなり悪いというか普通にコケてる。なんで??死ぬほど面白いんですがねえ。



シャドウ・イン・クラウドの製作費はたったの1000万ドルだったんですね。しかし興行収入はデータが間違ってるんじゃないかと思うほど盛大にコケてるというか誰も観てないレベル。何でだ。



そうかと思えばFALLはさらに激安の300万ドル。その辺の邦画より安いくらい。それでも8倍近い興行収入を上げてるんだからこれは相当コスパが良いですよ。そりゃあ続編も量産体制に入りますわな。内容にひねりを加える余地があまりなさそうなのが若干不安ですが。





コメント

ちょぷちょぷ さんのコメント…
お疲れ様です。
製作費とそれが回収できたかは、結構興味がありますね。
ウィキペディアだと、制作費と興行収入が載っているので重宝しています。
「ゴジラ-1」は、その出来と重量感や質感に対して、少ない製作費に驚きました。
一方、地中の棺桶の中でおっさんが独り言を言ってるだけの「リミット」とかは、2億5千万だとか。
一体どこにそのの金が消えたのか。

マリグナントは、目茶苦茶面白かったですね。
これに関しては、完全に情報をシャットダウンして観たので面白さもひとしおでした。
あれのオチって、ふと思い返すと某小説と似ていて、それを読んだ時はびっくりさせられたのですが、
映像として見せられると、似たシチュエーションでも衝撃と迫力が違いますね。
しかしあれの続編が出ないのは勿体ないですね。
デッドバイデイライトのキラーとして採用されたら、ワンチャンあるかも。
オペラ さんのコメント…
こうして見てみるとやっぱり映画もビジネス何ですね。クソ映画(金のかかったゴミ)を見ていつも「時間返せよ」なんて毒づいていましたが、アマプラで無料で見てるのが申し訳なく思ってきました。

羊たちの沈黙
製作費1900万ドル
北米2億7200万ドル
全世界1億3000万ドル

私の好きなメジャーどこだとこれくらい稼いでいるんですね。「MEG」は製作費がどれくらい異常かわかった気がします。
岩石入道 さんの投稿…
>ちょぷちょぷさん

ゴジラ-1.0の15億円は相当少なく感じますね。
製作に2年くらいはかかってるでしょうし、
スタッフも200人くらいはいるのかな?
と考えると…
リミットもポスプロにかかった人件費が大半ですかね。
私はどちらも観てないので適当ですが笑

マリグナントは、ネタ自体は古くからあるので序盤で何となく見当はついたんですよね。
ただあのスタイリッシュな姿は完全に想像の埒外すぎました。
まああの二人はその後平穏に暮らしましたで終わらせていいかなとは思います。
事件の後始末で苦労したでしょうしね。



>オペラさん

普段映画については好きか嫌いかでしか語ってませんが、
ビジネス的な観点で見るとあまり興味のない映画も俄然面白く見えてきたりします。
羊たちの沈黙って製作費そんなに安かったんですね。
続編も調べてみましたが、
ハンニバルでは調子に乗って8700万ドルまで製作費が膨れ上がり、
それは回収できたものの、
さらに調子に乗って作ったレッド・ドラゴンで微妙にコケて
次のハンニバル・ライジングで大爆死。
映画ビジネスにも波乱に満ちたストーリーがありますね。

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